ROOTS of 810s
ムーンスターの靴づくり
「810s(エイトテンス)」は福岡県久留米市に本社・工場を構え145年の歴史を持つ「MOONSTAR(ムーンスター)」が“厨房”や“病院”など、専門職向けの靴づくりで培ってきたノウハウを基に、機能性はそのままにデイリーユース仕様に再構築したプロダクトラインです。
コンセプトは「日々に“ちょうどいい”フィットウェア」。
なぜ、810sが生まれたのか?
810sのモデルとなったプロユースラインと共に、名前の由来やデザインルーツを紐解きます。
ー2019.11.27 UP
810s(エイトテンス)
名前の由来
810s(エイトテンス)は日本語の“腹八分目=8/10 eight-tenths”から名づけられました。
“満腹”ではなく“空腹”でもない、満たされすぎず、物足りなくもない。
“ちょうどいい”心地よさを体現するプロダクトラインです。
エイトテンス 【 eɪt tens 】
・ 8/10
・ ちょうどいい塩梅
・ 程度が過不足なくぴったりしている様
ムーンスターだから
生み出せるプロダクト
プロユースラインで培ってきた膨大なノウハウ
ムーンスターを代表するプロダクトは自社工場で熟練の職人たちの手によって一つ一つ丁寧に作られています。
一方で、長い歴史の中で培われた“靴づくり”に関する膨大なノウハウは、料理人や看護師などといったプロが活躍する現場の足元も支えてきました。
それぞれの環境に必要な機能が備わった“キッチンシューズ”や“ナースシューズ”に挙げられる、プロユースラインです。
プロユースの魅力を再構築
ともすれば “野暮ったい” “そっけない” “服に合わせにくい” などといったネガティブなイメージのあるプロユースのシューズ。
専門的な仕様だから自分たちには関係無いように思いますが、それらの持つ機能一つ一つはよく考えられていて日常の生活にも活かせるものだと思いました。
それらの機能を再評価し、日常生活において必要なものだけを残し丁寧にデザインを再構築することで、“野暮ったい” から “洗練された” へ価値を変換しています。
810sプロダクト
それぞれのルーツ
KITCHENSTAR 01
ET001_KITCHE(キッチェ)のルーツモデルはロングセラーの食品・厨房シューズ“キッチンスター”。水や油で濡れた場所でも滑りにくいように、床面に吸い付くマルチストッパーソールを搭載。アッパーは丈夫な合成皮革で耐久性があり中敷はAg+抗菌防臭仕様。銀イオンの抗菌作用で臭いの元となる菌の増殖を抑制し、防臭効果を発揮します。
SC ATHLETIC 007
ET002_STUDEN(スチューデン)のルーツモデルはスクール用のグランドシューズとして親しまれてきた“SCアスレチック”。接地面をフラットに設計することで中高生の活発な動きの中でも滑りにくく、さらに自転車のペダルも踏み外しにくい仕様に。踵にはヒールカウンターを搭載し運動時の安定感を向上。夜間の視認性を高めるセーフティブライト(反射材)も搭載し、交通事故から守ります。
OMOIYARI 510
ET003_HOSP(ホスプ)のルーツモデルは看護師用のワークシューズとして開発された“おもいやり”。長時間労働や瞬発的な動きに対応した機能が満載です。足抜けを防止する甲バンドや、踏んだまま履けるストレッチ素材を踵に採用した2ウェイタイプで、脱ぎ履きしやすい仕様になっています。甲の部分は汚れにくい合皮を使用し、サイド部分は蒸れにくいように通気性の良いメッシュ素材で快適な履き心地を実現しました。
KITCHENSTAR 02
ET004_CAF(カフ)のルーツモデルはロングセラーの食品・厨房シューズ“キッチンスター”のサボタイプ。靴の脱ぎ履きが多い職場環境で使いやすいように手を使わずに履ける仕様が特徴で、その他、機能面はET001_KITCHE(キッチェ)同様のハイクオリティです。
810s
デザインフィロソフィー
機能とデザインの“ちょうどいい”バランス
810sは、“最低限の構造で美しく使いやすい”に挙げられるようなプロダクトデザインの考え方を意識していて、工業製品的な要素や価値観を取り入れています。
そのデザインの工程は、長い歴史の中で作り上げてきた数々の商品の社内に残る資料、時には当時の開発担当者から話を聞き、ベースとなるモデルを絞り込み着用シーンを想定。
材質・縫製・形状などを細部に至るまで見直し試作を重ね、ルーツモデルの機能性は活かしながら、現代のライフスタイルに馴染むようバランスを整えました。
例えばKITCHE(キッチェ)。ベースとなった“KITCHENSTAR 01”は、厨房で料理人が履くことを想定した靴です。そのため、表面は耐油・耐水性があるアッパー素材で汚れにくく、マルチストッパーソールは、水や油で濡れた床にも吸い付き滑りにくくなっています。さらにサイドには通気穴があり長時間でも蒸れにくいという特性も兼ね備えています。
その機能を生かしつつ、日常生活にもフィットするシンプルで飽きのこないコートスタイルになるようにリデザイン。
アッパーも装飾的な要素は極力省き、ゴムバンドは印象的な要素として見せながら、ステッチが表に出ないように細部を調整することで、全体をソリッドな印象でまとめています。
カラーリングもベーシックながら、ニュアンス色を採用することで個性を生かしつつも程よく馴染み、スタイリングの主役になり過ぎないちょうどいいラインを意識しています。
ルーツとなるシューズの優れた機能にデイリーユースの視点を掛け合わせることで新しい個性となり、シンプルながら独創性の高い新しいプロダクトラインとして生まれた「810s」。
自分たちらしいデイリースタイルを提案すべく、日々に“ちょうどいい”プロダクトを作り続けます。