ROOTS of 810s

ムーンスターの靴づくり VOL.5

2022FWコレクションで登場したMARKE MODI(マルケ モディ)。
作業用のゴム長靴をルーツにもつMARKEをさらにmodify(改良)したモデルです。
今回はルーツとなるシューズやブラッシュアップした点についてデザイナーが語ります。

ー2023.5.22 UP

ゴム長靴をルーツにもつ
人気モデルが機能面をアップデート

ゴム長靴をルーツにもつ
人気モデルが
機能面をアップデート

ーMARKE MODIの大きな特徴を教えてください

エイトテンスの2シーズン目、2020FWコレクションに登場したMARKEのアップデート版として2022FWコレクションから仲間入りしました。もともとMARKEは、多用途の作業用ゴム長靴をルーツとしてワークブーツ調に仕上げたモデル。お客様からの声を含め、発売から2年の間にうまれた課題を反映したのがMARKE MODIです。こうした形で、エイトテンスでは常によりよいシューズをお届けしたいと考えています。

MARKE現品にテープやラインを入れてブラッシュアップ

具体的には大きな修正点が3つあります。足当たりを考慮して甲のスリットをサイドに移動したこと、履口にパイピングを施したこと。また、取り外し可能だったベルトのバックルを備え付けにして足へのフィット性がより高まる仕様にしたこと。バックルのデザインも割れにくい仕様に更新しました。

“初代”にあたるMARKEはスリットが中央に入り、履口は切りっぱなしの仕様

MARKE MODIではスリットを内側のサイドに入れ、履口にパイピングを施している

ールーツとなった「BESTER L 03」とは?

ムーンスターが半世紀近くつくり続けている、もっとも定番的なゴム長靴になります。市場などの水場から土木作業の現場まで、幅広い用途に活用されているロングセラーです。特徴はリップル(波形)意匠とサクション(吸盤)意匠を組み合わせて防滑性に配慮した独自のソール。前身となるMARKEの企画段階で、機能に特化したワークシューズである長靴をいかにデイリーなシーンや着こなしにフィットさせるかを考慮しました。

創業90年を記念する社史にも類似商品の「BESTER」が掲載されている(1963年発行)

ー日常生活に馴染む靴に仕上げるためにこだわった点は?

胴回りが太い長靴のシルエットを細身にしてブーツライクにアレンジしました。細くなると履きにくくなるため、スリットを入れています。スリットが入っただけでは逆に脱げやすくなるため、ベルトでしっかりとホールドできるようにしています。「BESTER L 03」のように1枚の素材で作成するのではなく、何枚もラバーを使ってレイヤー感やボリューム感を出したのもポイントです。サイドには足を細長く見せる効果が期待できる直線的なラインを入れてシャープな印象に仕上げました。

「BESTER L 03」の特徴でもあるソールは、リップル(波形)意匠を取り入れずシンプルに。防滑性も大切にしたいため、サクション(吸盤)意匠はいかしました。「BESTER L 03」には付いていないのですが、長靴に多く見られる脱ぐ際のフックになる踵部分のブロックも採用しています。また、一般的に長靴にはインソールがないのですが、履き心地のよさを考慮してクッション性のある厚めのインソールを入れています。

ソールのサクション(吸盤)と踵部分のブロック

雨の日はもちろん、ブーツ感覚で天候関係なくご活用いただけたらと。長靴はツヤのあるタイプが多いですが、日常に馴染みやすいよう、マットな質感に仕上げています。実際に、特に冬など通勤時に履かれている方もいらっしゃいますし、スカートでもパンツでもバランスが取りやすいと女性のお客様も多いです。カラーバリエーションはホワイトとチャコールの全2色。ツートーンのホワイトは着こなしのポイントになるという声も頂戴しています。長靴の長所を備えたデイリーなブーツとして、老若男女問わずさまざまな方にご愛用いただきたいですね。

MARKE MODI商品について

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#エイトテンス